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2016年02月12日

思春期の子どもとどう向き合うか 

思春期の子どもとどう向き合うか 




昨日 世界乳幼児精神保健学会日本支部会長 渡邊医院 渡辺久子先生の講演を聴きに行って来ました。

テーマは「思春期の子どもとどう向き合うか」でした。

子どものこころに関することや子育て支援については私が1番関心を寄せている分野ですし どうぶつしょうぎの普及活動の1番の動機でもありますので 講演を聴くのをとても楽しみにしていました。

40年間に渡る臨床経験に基づくお話に最初から最後までずっとのめりこむように聞きました。

時折感極まって涙が出そうになったりもしました。

今の時代の子どもたちにとても大きな危機感を抱いていてどうしたらよりよくできるのかをずっと模索しています。

日本全体の仕組みを変えなければこの問題は解決しませんが 一個人にできるものではありません。

かといってこのまま手をこまねいていることもしたくありません。

わたしはわたしにできることが何かを考え そして探して そしてなんでもいいので少しでもきっかけになりそうなことがあればやっていく。

それしかできないのです。


今は発達性トラウマ障害が増えてきているそうです。

これは発達障害とは違い いろんな原因があるのですが たとえば親からの虐待などによって脳が委縮することによって起こったり。

父親や母親がDVだと子どもの脳は縮んでいくのだそうです。

そして意欲などもなくしてしまい そうなってしまうと二度と元には戻らないんだそうです。


発達障害の子どもも増えていますが 誤診も多いのだそうです。

診断するにはその子を長い期間観察する必要があり もしそう診断したのなら最低5年は診る必要があるのだそうです。




講演の初めに渡辺先生が ワーズワースの「虹」という詩を紹介されましたので ここに書きますね。


    虹:ワーズワース

私の心はおどる

虹が空にかかるのを見るとき

私の生涯のはじめがそうであった

大人になった今もそうだ

老いてもそうであるように

さもなくば死んだ方がまし

子どもは大人の父だ

私のおくる一日一日が

自然に対する深い敬意の心で結ばれるように。



「子どもは大人の父だ」を解釈すると 子ども時代に感動したことが 大人になった時のその人のこころの土台になる ということ。

夢中で遊び、自分で感じ、考え、行動し、ふりかえり、反省し、改善していく営みこそ全人的にその子のこころを豊かに育み やがて人生の困難を主体的に乗り越えていく底力につながる。

ルソーは「まず腕白小僧を育てなければ、よい人間を育てることはできない」と言いました。

子どもは自然の中で遊ぶことで感動し意欲を育み それで脳が発達し 人間的な情緒そして周囲と調和して生きる能力を育む。

子どもから大人になる多感な思春期に 大人が温かい親ごころで揺れる子どもをしっかりと支え 導きたいもの。

子どもの脳は安心し心地よい時 最もよく発達する。

乳幼児期にその安心感を与えてあげることが親の務め。


ところが今の時代 それができない親が増えてきたといいます。

資本主義経済、成果主義、評価社会 という仕組みの中で大人たちは自分が生きることだけでいっぱいいっぱいなのかもしれません。

特にエリートと呼ばれる親がその役割を果たせなくなってきているとのこと。

家庭では自分が1番になりたいので妊娠中の奥さんに思いやりを持つどころか 責めまくる。

その結果 胎児の体重が一向に増えない。

おかしいと思った産婦人科医から相談を受けて それじゃあ入院しましょうと言って入院させると胎児の体重は順調に増える。

何だ勘違いかと思って退院させるとまた胎児の体重が増えていない。。。

ということを繰り返す。

母親にカウンセリングするとやはり夫からの精神的DVがあるとのこと。

結局 赤ちゃんは500gで生まれてしまったそうです。

この夫のような大人が今はとても多くなってきているそうです。

そして 現代のような工業化社会では母親の産後うつがとても多いそうです。

本来子どもというものはいろいろな人の中で育つもの。

それが今の時代は母親と赤ちゃんがふたりっきりの状態になっている。

きちっとしてるお母さんほど心の中は孤独。

本来は夫が子育てしている妻を大きな愛情で支えなければいけないのだが 夫は仕事が忙しくて家庭にほとんどいない。

資本主義経済の世の中で生きていくにはお金が必要です。

だから働かなければいけない。



渡辺先生のお話からいろんなことを考えてしまいました。

一朝一夕には解決はしませんが 周りが変わるのを待つのではなく 危機感を感じている人たちができることをできる限りやっていく。


とりとめのない話になってしまいましたが 最後に一番印象に残った言葉を書きますね。


0~3歳の乳幼児期と10~15歳の思春期には脳が急激に発達するのでキレやすいのだそうです。

大人はそのことをちゃんと理解して子どもと接しなければいけませんよね。


わたしの子どもはもう思春期を過ぎてしまいましたが 渡辺先生のお話を伺いながら 思い返すと思い当たるふしがいくつもありました。


参考文献として「思春期の子のこころがわからなくなったときに読む本」渡辺久子著 と資料にありました。

気になる方は是非お読みください。














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Posted by なかむら のりこ at 13:40│Comments(0)子育て支援
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